ネポン株式会社、園芸機器や住宅機器などを製造、販売している会社である。そしてトイレマニアにとっては、ネポンと言えば簡易水洗便器を製造している会社というイメージが強いであろう。ちなみに、大阪の下町の昔ながらの駄菓子屋で売られている謎のジュース「ネーポン」とは関係ありません。悪しからず…。
ネポンの簡易水洗と言えば、少量の水で洗浄する通常の簡易水洗「プリティーナ」シリーズと、泡で洗浄する「パールトイレ」シリーズの2つが存在する。主に下水道が未整備の郊外で使われている事が多く、鉄道の駅でもローカル線の駅で水洗化の一環として使用されている事がある。
パールトイレに遭遇したのは兵庫県加古川市にあるJR加古川線 厄神駅のトイレ。平成11年2月、加古川駅高架化の一環で同駅にあった加古川鉄道部を厄神駅に移設の際、従来の木造駅舎から近代的な橋上駅舎に建て替えられた。近代的な建物だが、下水道整備が遅れている地域であり、ネポンパールトイレが設置された訳であるが、用を足して洗浄ボタンを押した時の感想が、何とも恐い。「ブゥ〜ン」というかなり低い音と共に、ぶくぶくと泡がながれ、汚れを洗い落とすという。なんともホラー映画のよう。容量が決まっている便層ゆえ、水よりも少量で洗浄でき、汲み取り量も少なくすむ。そして石鹸の香りによりトイレは清潔感が漂う。そんな理想的なトイレであるが、その泡が頑固な汚れを果たしてどこまで綺麗にしてくれるのか、見ているとなんとなく頼りないような気がしてならない。
パールトイレばかりが注目されやすいネポンだが、水で流す普通の簡易水洗も存在する。排水溝は他社製品に見られる「オートフラッパー式(蓋が重みで開き、カコンと閉じるタイプ)」と、ネポン独自設計で単純構造の「パンタロン式(薄いゴム上の膜で覆われているタイプ)」が存在する。今まで取材してきたネポン プリティーナはパンタロン式がほとんどで、最初見た時は穴が蓋されていないように見えて、一瞬ボットンかと思ってしまった。
ネポンを含め、郊外で細々と活躍する簡易水洗トイレだが、近年の下水道整備による完全水洗化の波が押し寄せる状況で、簡易水洗の運命はいかに…。